恋獄 ~ 紅き情炎の檻 ~
「えーっ、『右隣の男性から携帯番号を貰うこと』!?」
「あたしのは、『正面の男性の頬にキスをすること』って書いてある!」
「『左隣の男性に家まで送ってもらうこと』って……きゃ~!」
女性達は興奮した様子ではしゃいでいる。
最後になった花澄は、ドキドキしながら名刺を引いた。
あまりヘンなことが書いてなければいいけど……。
と恐る恐る名刺を見た花澄は、思わず目を見開いた。
名刺には『日紅証券 チーフアドバイザー 林暁生』とある。
そして、名前の下に書いてあったのは……。
『はずれ』
はずれって……。
ていうか、『はずれ』って何だ?
呆然とする花澄に、暁生はくすくすと笑いながら言う。