恋獄 ~ 紅き情炎の檻 ~



暁生に言われ、花澄はこくりと頷いた。

『はずれ』と書かれた名刺をポーチから取り出す。

そういえば、何かと交換すると暁生は言っていた気がするが……。

花澄が名刺を取り出すと、暁生はにこりと笑った。

────まるで獲物を突き刺すような、鋭い視線。

思わずびくりとした花澄の手から、暁生はすっと名刺を取り上げた。

そして、花澄の目の前で……。


その名刺を、ビリッと二つに破いた。


「……っ!?」


花澄は驚き、目を見開いた。

……まさか、名刺を破くなんて……。


驚く花澄の前で、暁生は再び胸ポケットから名刺入れを取り出した。

……その、スマートで洗練された仕草。


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