恋獄 ~ 紅き情炎の檻 ~
3.金の本質
「……はあ!? 1日20万でデート!?」
────週末の金曜。
渋谷の呑み屋の一角。
知奈にあのクリスマスの日以降、立て続けに起こったことを説明すると、知奈はすっとんきょうな声を上げた。
……無理もない。
この一週間で、事態は想定外の方向に進んでしまった。
疲れたようなため息をつく花澄に、知奈は身を乗り出して言う。
「あの夜、まさかあんたがお持ち帰りされるなんて思ってもみなかったよ。あんたわりと、身持ちが固い方だし……」
知奈の言葉に、花澄は俯いた。
それは自分でもそう思う。
しかしあれはそういうつもりで行ったわけではない。
────少なくとも自分の方は。
花澄はカシスオレンジを一口飲み、知奈を見た。