恋獄 ~ 紅き情炎の檻 ~
「あんたさ。なんというか、特定の人種に異常に反応するホルモンでも放出してんの?」
「……え?」
「相沢君といい、暁生さんといい。あの手の顔の人間にとって、あんたは強烈なマタタビか、はたまた至高の媚薬のように見えてんのかもね?」
「ちょっと、なんなの、それ……」
花澄は慌てて首を振った。
そんなことはないと思う、のだが……。
知奈は半目でじーっと花澄を見た後、肩をすくめた。
「ま、とにかくさ。遊びだとしても、相手は本気よ?」
「……え、どういうこと?」
「本気の遊びってこと。じゃなきゃフツー、そこまでお金も時間もかけないって!」
「うっ……」
────本気の遊び。
知奈の言わんとしていることは花澄もなんとなくわかる。
しかし、どうして自分が……。