恋獄 ~ 紅き情炎の檻 ~



知奈の言葉に、花澄は先日届いた同窓会の案内を思い出した。

行われるのは高校の同窓会で、全クラスいっぺんに行うらしい。

といっても参加者は半分程度と思われるので、集まっても100人ほどだろうが……。


「今のところ参加するつもりだけど。知奈は?」

「私も参加するつもり。……じゃあ、一緒に行く? 確か品川って言ってたよね?」

「うん。一緒に行こう」


花澄は軽く頷き、グラスを傾けた。

同窓会は2年に一回ほどのペースで行われており、花澄も極力参加しているが、これまで環も雪也も、そして従姉の美鈴も、同窓会に来たことはない。

もっとも、彼らに今会っても何を話せばいいのかわからないが……。

多分今回も、皆、来ないだろう。

花澄は小さく息をつき、グラスをとんとテーブルに置いた。



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