恋獄 ~ 白き背徳の鎖 ~
本当は今すぐ彼女に自分の想いの全てをぶつけて、彼女を自分のものにしたい。
彼女が逃げられないように想いの鎖で雁字搦めに縛り付けて、今度こそ他の男には渡さないと、絶対に離さないと、彼女に告げたい。
……けれどそれをしてしまったら、7年前と同じだ。
7年前、彼女に見せてしまったような醜態を二度と彼女の前では晒したくない。
自分の心を誰よりも察してくれる彼女だからこそ、もう二度と、自分のあんな無様な姿を見せたくはない……。
────感情と、理性。
彼女が欲しいと思う心と、彼女の前では善い人間でありたいと思う心。
……時間はかかるかもしれない。
が、この二つの感情を上手くコントロールして、今度こそ彼女の心の全てを手に入れたい。
清かな月明かりが夜の街路を照らし出す。
雪也は花澄の面影を思い浮かべながら、ゆっくりと夜道を歩いて行った……。