恋獄 ~ 白き背徳の鎖 ~



雪也の言葉に、花澄はかすかに頬を染めた。

……雪也の言葉はいつでも花澄の胸にまっすぐ入ってくる。

悩んだけれど、雪也が喜んでくれたのなら贈って良かったと心から思う。

無言で見上げる花澄に、雪也は悪戯っぽく笑い、続ける。


「ね。……あれって、本命チョコだよね?」

「……っ、それは……」

「あぁ、いいよ。何も言わないで。俺はそう思うことにするから。……ところで、花澄」


雪也はそこで言葉を止め、少し眉根を寄せた。

その真面目な表情に、花澄は首を傾げた。


「君はPMOとしてここに来たって聞いてるけど、まだ誰の専属かは決まってるわけじゃないんだろ?」

「……え?」


花澄は思わず声を上げてしまった。

自分は賢吾の専属なのだが……。

雪也はまだそれを知らないのだろうか?

花澄は雪也を見上げ、言った。



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