恋獄 ~ 白き背徳の鎖 ~
「悪いけど、急いでパソコンを持って僕の部屋まで来てもらっていいかな? 纏めてもらいたいデータがあるんだよ~」
賢吾は慌ただしそうに言い、そのままプロジェクト・ルームへと入っていく。
花澄は一瞬困惑したが、今の自分の上司は賢吾だ。
花澄は慌てて雪也にぺこりと頭を下げた。
「すみません、専務。仕事があるので失礼します」
言い、賢吾を追って再びプロジェクト・ルームに戻る。
そしてノートパソコンを抱え、賢吾と共に研究所の2階にある所長室へと向かった……。