恋獄 ~ 白き背徳の鎖 ~
ずっと昔から自分に優しい想いを向けてくれた雪也。
しかし今、雪也は花澄の前ではずっと隠していた激しい気持ちを隠すことなく露わにしている。
熱情と渇望と、……そして、男として花澄を求める欲望。
きっと雪也はずっと、自分にだけはこの気持ちを見せたくないと思っていたのだろう。
それを今、雪也は隠すことなく花澄の前に晒している。
なりふり構ってなど、体裁を整えてなどいられない────。
雪也の覚悟が瞳越しに伝わる。
例え自分の目にどう映っても、もう引き下がらないと……その覚悟が、花澄の心を大きく突き動かす。
自分を食らおうとする獣の視線に、心が惹き込まれていく。
震える花澄の頬を、雪也がそっと両手で包み込む。
視線は飢えた獣のように激しいのに、その手はどこまでも優しい。
「……念のため言っておくよ。抵抗しない方がいい。君に技をかけるようなことは、俺はしたくない」
「────っ!」
花澄は目を見開いた。
雪也は昔から護身術として柔道や空手を習っていた。
しかしそれをわざわざ言うということは……。