恋獄 ~ 白き背徳の鎖 ~




電話が呼出音に切り替わる。

やがてガチャッという音と共に電話が繋がった。


『はい、大山です』

「月杜です。先日提出して頂いたライン増設の企画書ですが、各工程の想定稼働率を追記してください」

『……と、いいますと?』

「面取、外径加工、内面研磨、溶接、洗浄の各工程の想定稼働率を明記してください。今のラインの稼働データからある程度は予測できると思います」


雪也は企画書をめくりながら言った。。

滋賀工場の工場長の大山はベテランなのだが、こういった資料の作成があまり得意ではない。

経営会議に提出できるレベルの資料を100点とすると、今の企画書は50点というところだ。



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