恋獄 ~ 白き背徳の鎖 ~
────10分後。
「…………」
雪也は電話を切った後、腕を組んでじっと企画書を見つめた。
……これは、自分が直に滋賀工場に行った方がいいかもしれない。
時間的な余裕があれば大山に資料を作らせてもいいのだが、川波重工への納品期限があるため、このラインはできるだけ早く着工しなければならない。
来月までに予算稟議を出すことを考えても、この企画書は早いうちにまとめた方がいいだろう。
雪也はOutlookを立ち上げ、その旨を手早くメールに打ち込んだ。
そのまま父である社長と賢吾、そして大山に宛ててピッと送信する。