恋獄 ~ 白き背徳の鎖 ~
雪也は環の端整な顔を思い出し、顔をしかめた。
……7年前、彼女が初めて体を捧げた男。
環と彼女の過去を思うと激しい嫉妬が胸を焼く。
彼と100回キスをしたのなら、自分は少なくとも1000回、彼女にキスしたい。
彼が100回彼女を抱いたのなら、自分は少なくとも1万回、彼女を抱きたい……。
今朝まで彼女を離せなかったのは、無意識のうちにそう思っていたからだろう。
自分でもコントロールできない激しい嫉妬。
自分がここまで嫉妬深いとは雪也自身も思っていなかった。
雪也は目を伏せ、切ないため息をついた。
そのとき。
ピッと言う音と共に、Outlookの受信トレイに新しいメールが入った。
差出人の名は、『月杜賢吾』。
「……っ!」
雪也は息を飲んだ。
急いでマウスをクリックし、中身をチェックする。