恋獄 ~ 白き背徳の鎖 ~



「だっ、だめ……専務……っ」

「……こんな時に専務だなんて言わないでほしいね」

「……あ……っ、はぁ……っ」


雪也の唇が更に深く激しく押し付けられる。

花澄は自分の言葉が逆効果だったことを知り、青ざめた。

そうしている間にも雪也の唇は花澄の唇を蹂躙していく。


やがてパタパタという音が階段の上から聞こえてきた。

唇を離して顔を見合わせた後、離れがたい思いを必死で抑えてそっと身を離す。


「……っ……」


頬が赤くなっているのが自分でもわかる。

花澄は二人の後に続いて工場の玄関を出、駐車場へと向かった。



< 275 / 334 >

この作品をシェア

pagetop