恋獄 ~ 白き背徳の鎖 ~
「だっ、だめ……専務……っ」
「……こんな時に専務だなんて言わないでほしいね」
「……あ……っ、はぁ……っ」
雪也の唇が更に深く激しく押し付けられる。
花澄は自分の言葉が逆効果だったことを知り、青ざめた。
そうしている間にも雪也の唇は花澄の唇を蹂躙していく。
やがてパタパタという音が階段の上から聞こえてきた。
唇を離して顔を見合わせた後、離れがたい思いを必死で抑えてそっと身を離す。
「……っ……」
頬が赤くなっているのが自分でもわかる。
花澄は二人の後に続いて工場の玄関を出、駐車場へと向かった。