恋獄 ~ 白き背徳の鎖 ~
18:00。
指示された仕事を終え、花澄は鞄の荷物をまとめていた。
ノートパソコンなどの仕事道具と、5日分の衣類と……。
……でも思ったより早く終わってよかった。
これから都内に戻れば、明日の朝、朝イチで小田原に向かうことができる。
今着ているスーツは戻ったらクリーニングに出そう、と思いながら荷物を整理していた、その時。
「仕度できた?」
見ると、スーツにビジネスバッグ姿の雪也がドアのところに立っている。
これから二人でタクシーに乗り、新幹線と連結している京都駅まで向かう予定だ。
花澄は軽く身なりを整え、鞄を手に取った。
既にロータリーにはタクシーが到着している。
「後ろに乗って?」
花澄は荷物を先に入れ、後部座席に乗った。
その隣に雪也も乗り込む。
やがて静かなエンジン音と共にタクシーが発車した。
少し走ったところで、雪也が運転手に言う。