恋獄 ~ 白き背徳の鎖 ~
4.見合い結婚のススメ
────年が明けて、1月4日。
その日の夕刻、花澄は知奈とともに同窓会に出席していた。
品川の駅から徒歩5分ほどのところにある和風居酒屋を貸切りにし、クラスごとにざっくりとテーブルに分かれている。
既に開始してから一時間ほどが経ち、皆、それなりに出来上がってきている。
花澄は隣に座った高校時代の友人達と話しながら、並べられた料理をつついていた。
「……で? 花澄は付き合ってるオトコはいるの?」
やはり年齢が年齢のせいか、女が集まると話題はこの手のものに限られる。
花澄はハハと笑い、首を振った。
「ううん。実は年末に別れたばかりで……」
「えっ、そうなんだ? じゃあ今、フリーってこと?」
「うん。でも、しばらく恋愛はいいかな。ホラ、恋愛するにもそれなりに気力が要るでしょ? 付き合うまでのいろんなやりとりとか……」
「あー、確かにそうかも。彼氏は欲しいけど、そこまでの手順が正直、めんどくさいのよね~……」
隣に座った真理子がビールを自分のグラスに注ぎながら言う。
彼女は高校時代、たまに一緒に昼食を食べていた仲だ。
真理子の向かいには知奈が胡坐をかいて座っている。
知奈は花澄と真理子の顔を見比べ、はぁっと肩をすくめた。