恋獄 ~ 白き背徳の鎖 ~
2.明かされた真実
そして、翌日。
10:00。
花澄と雪也は月杜家の本宅を訪ねていた。
正直、小百合には顔向けができない。
何しろ賢吾の婚約者という立場でありながら、雪也と関係を持ってしまったのだ。
しかしこうなった以上、何が何でも認めてもらうしかない。
今日は賢吾も本宅にいると聞いている。
今朝届いた賢吾からのメールには『僕から母さんには簡単に話しておくから』とあったが、激しく不安だ。
やがて応接室にいた二人の前に、小百合と賢吾が姿を現した。
見るからにげっそりとした、小百合の顔……。
花澄は反射的に頭を下げた。
「……あのっ、本当にすみませんでしたっ」
と叫びかけた花澄だったが。
小百合は軽く首を振り、それを手で止めた。