恋獄 ~ 白き背徳の鎖 ~
5.7年前の言葉の続き
──── 一時間後。
同窓会は無事お開きとなり、花澄は自分の荷物を持って急ぎ足で店を出た。
……結局、ずっと雪也の隣にいてしまった……。
離れようとすると雪也に手を掴まれ、強引に引き戻される。
花澄はその手の力強さに、手を伝わって感じる雪也の想いに、心が震えるのを感じた。
『行かせない。……君に恨まれてもいい。憎まれてもいい』
『絶対に行かせない、どんな手段を使ってでも、俺は……っ』
……7年前、環と駆け落ちしようとした花澄を引き留めたときの、雪也の言葉。
あの時と全く同じ気持ちが、手を通して伝わってきた。
彼が7年間、なぜ自分に連絡しなかったのか……。
自分はずっと、彼は自分に会いたくないのではと思ってきた。
けれど雪也の手が、そこに込められた力が、そうではないとはっきり告げてきた。
手越しに伝わった、熱い想い。
その真っ直ぐな想いに心が揺れそうになる。
けれど。
「…………っ」