俺が教えてやるよ。
「っていうか、名字違うじゃん!」
藍斗くんは城山
優李くんは北川
「俺の家は兄弟を別々の家で育てて両方を立ててんの」
「え?」
「長男の俺が本家、こいつが分家で」
「は、はぁ」
わかんない
はっきり言ってわかんないです
「…どうせわかんねぇんだろ」
「う、うん…」
「ばーか」
ごめんね、ばかで
「お姉さんにばかとか言わないでよ兄貴」
ギューッと優李くんがあたしを抱きしめる
わわわ
「ゆ、優李く…」
いくらあたしでもそんなことされたら…
「優李」
いつもより低い声にドキリとしてしまう
「なに、兄貴」
「桃果から離れろ」
「なんで?」
挑発するような優李くんの瞳
2人とも笑ってない
「そいつは俺の女だ」
「え?」
え!?
今なんと!?
あたしは王子を見た