俺が教えてやるよ。


サラリと王子の口から出た言葉に内心かなりドキドキしてるんだ



「俺の女?彼女なんか兄貴にはいないでしょ」


小馬鹿にしたように優李くんが笑う


まぁたしかに?
今まではそうでしたとも

そのことに反論するつもりはサラサラありません

だけど――…


「残念。いるんだな、これが」


「え?」


王子があたしの体に絡まっていた優李くんの腕を優しくほどいた


「悪いけど、こいつは誰にも触れさせない」


「…っ!!」


あたしの体を王子が優しく包み込む


肌から伝わる王子の温かさ


初めて抱きしめられたあたしは、身動きがとれない

ううん、動けるはずなのにー…

体が言うこときかない


しびれたような感覚におそわれて、今にも倒れちゃいそう

あたし、


「なぁ、桃果」


この人が好きなんだ



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