俺が教えてやるよ。
「……ごめん、なんか」
「いや大丈夫」
バカだなあたし
何言ってるんだろ
そんなの無理に決まってるのに
「じゃあマンション探すかなぁー…」
ぐるぐる頭の中を駆けめぐる形もないイメージ
心をザワザワ飛び交う気持ち
あたしはなにを考えて
なにを恐れてる?
考えを出せないでいた
「なぁ、桃果」
…………え
「な、に、っ!?」
スルリとあたしに腕を絡め、王子の顔が近づいた
「久しぶりに、キスしようか」
「えっ??!」
さっきと打って変わって妖しい瞳であたしを見る