俺が教えてやるよ。



あたしの声だってきっと届かない


届いたとしても王子にかける言葉がない


ううう…


悩むなんてあたしらしくない


わかっていても進まない

怖くて進めないよ…


「あれ、藍斗どこ行くの?」


武中くんの声に思わず入り口に隠れるあたし



「…トイレ」


やだ、王子がこっちに来る?


あたしは動けずにその場で息をひそめた


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