フラットとシャープ
それが、大学二年生の夏。

「あ、そうだ。周平にこのこと連絡しとかなきゃ。」

周平も今は東京勤務だ。お互い遠距離はしたくないよね、という微妙な合意のもと東京に居座り続けている。

そんな約束のようなものをしていたが故に、今回の周平の反応がいささか不安だった。

しかし、もうこうなっては後に引けない。

携帯を取って、慣れた手つきで電話を掛ける。

♪♪♪

「・・・・ただいま電話に出ることができません。ご用件がございましたら・・・」

「あれ?仕事かな?」

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