フラットとシャープ
「返してください!!」

地図を乱暴に奪うと、男性は「おおっと」と余りびっくりしていない様子で由美子に向き直った。

「その家なら、こっから二駅のとこやで♪」

「!?」

「大丈夫、わざわざ家に行ったりせんから、心配せんでもええねん♪」

「!!??」

すごく険しい顔をした由美子と対照的に、男性はひょうひょうとしていた。

「そんな地図片手にスーツケース持ってこんな大阪をうろうろしとるなんて、自覚しとらんやろうけど、結構目立っとったんやで!ま、おせっかいもほどほどにしときますわ~」

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