フラットとシャープ
そう言って軽く手を振りながら、男性は去って行った。

「・・・・。」

しばらく呆然としていた由美子は心の中で思った。

(い、一体なんだったの・・・?てか・・・)

一刻も早く仕事を片付けて、さっさと東京に帰りたいと思ってしまった。

まだ、来てまもないと言うのに。

突っ立っていてもしょうがないので、由美子は改めて駅に向かうことにした。

ストラップはかばんに付けていたものだった。

よく見るといつの間にかチェーンのところが取れてしまっていた。

今度は落とさないように、かばんの奥底に締まっておいた。
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