ロボット少年
ここに住んで、10日が過ぎた。


「隼人、早く洗濯物出してよ!」

寝起きの耳元で、千佳がわめく。

「わぁったよ。てかお前が洗濯するわけじゃねーだろが」

「早くしないとみずちゃんが学校遅刻しちゃうからでしょ!なまいきっ!」

そう言って、千佳は枕で俺を叩いた。


てめーのが生意気なんじゃっ!
年上に向かって、その口の効き方はなんだこんにゃろ!


言葉を、ぐっとこらえた。



「お…よう…」

振り向くと、夏子が、もう学校の準備をして、玄関に向かっていた。


「はよ。はやいな」

俺がそう言うと、
こっくり、頭を傾けて、耳を赤くして、足早に玄関に向かう。

なにがそんなに、恥ずかしいのか。


まだ、俺はこの家に馴染んでいない。


それでも、自然と慣れていく部分もある。


ここの暮らしは、今までよりもずっと快適だった。
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