ロボット少年


雨が降ってきた。


なんだって、こんな日に限って…。



ムシャクシャしたまま、俺、長崎隼人は、家の近くの公園で、雨に打たれながら俯いていた。





親父も、お袋も、結局、自分のことだけだろ。


長男の俺に、期待を全て押しつけている両親。


それでも、中学までは、よかったんだ。


県内で、一番のレベルの高校に、落ちた。




俺は、落ちたことより、両親の期待を裏切った事実に、苦しめられた。



そして、両親は、俺になんの期待もしなくなった。



次は、弟の颯(はやて)に期待を懸けた。


高校に落ちてからは、両親の態度はそっけない。


それだけなら良い。



落ちた俺に対して、お袋が吐き捨てた言葉。






「お母さんの立場も、考えてよ。」



家庭のことは母親任せの父親に愚痴を言われることへの不満、

そしてご近所さんに面目が立たないのだということが言いたいのだろう。
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