ロボット少年

太一は小学三年だ。

この家で、一番の年下になった。



「太一、マフィン、いるか?」

俺が渡したのは、今日学校で女子からもらったマフィンだった。

調理実習で作ったものらしい。



しばらく待っても応答がないので、

「マフィン、嫌いか?」

と尋ねてみた。


しかし何も動かない。

息をしているか、不安になったくらいだ。

「まあ、やるよ。食ってみろ」

そう言われて、初めて手が動いた。
< 20 / 116 >

この作品をシェア

pagetop