ロボット少年

はっとした。



わかっていたが、わかっていなかった。



太一は、一度だって、自分の感情を出したことがない。


太一が
怒ったり、喜んだり、
悲しんだり、安心したり。


そんなこと、一度もなかったんじゃないか。

想像さえつかない。


食べろと言われて食べ、
座れと言われて座り、
寝ろと言われて寝る。


「太一…」
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