ロボット少年
「お前、好きなものあるか?」

「……」



やっぱりだ。


自分の感情が少しでも入る質問には、いつも無言だった。

生活の乱れのなさも、おかしいとは思った。

ロボットみたい、とは思っていたが、

これじゃぁまるで本物だ。

こんな風になるのは、尋常じゃない。


人が見えないというんだから、なおさらだ。


親の離婚が原因なんかじゃない。

母親の死が原因なんかじゃない。



原因は別にあるんだ。


何か、もっと根本に、

植え付けられた、


根を張った、何かが。
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