ロボット少年

言ってから、後悔した。
こんなこと、言うもんじゃない。

その時。

太一の頭が、傾いた。

うん、と、言っているようにも見えた。


焦点の合わない目。


母親のために、人を見ることをやめた、目。

じんわり、目の前がぼやけた。

太一が、滲んで見える。

太一の手の上に、俺の涙が、落ちた。
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