ロボット少年
その夏子と一緒にトランプをしていた男の子が、
上田光輝。
同じく、小学四年生。

こっちは、大人しい質ではあるが、人見知りではないようだ。

少し顎が狭く、二重で目が大きい。きれいな顔で、賢そうだ。



「よろしくな」

「うん、お兄さんの名前、どういう漢字?」


「隼は…ハヤブサ、っていう字、わかる?」

「ああ、それに人ね。わかった、もう覚えたよ」

驚いた。小学四年でこの字がわかるということよりも、

漢字で人の名前を覚える、という習慣が、この年で身についているということに、違和感さえあったからだ。


「ぼく、人の名前って、聞いただけじゃ覚えられないんです」

恥ずかしげに、光輝は言った。

あぁ、俺もだ、
と言いながら、必死に動揺を隠して笑顔をつくった。
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