彼の寝息を聞きながら
「ちょっと圭介!!此処で何してんの!?」
カズ兄が起きない様に、コソコソと小さい声で圭介に問う。
「俺も江美と一緒に寝たい」
「はっ!?何の冗談?」
「冗談じゃないよ?俺だって江美の事、ずっと好きだったんだ…」
初めて見る圭介の切ない顔に、心がギュッと締め付けられる。
「…圭介、そんな風に思ってくれて有り難う。でも私はカズ兄が好きだから」
今私が言える精一杯の言葉で返事を返す。
「そんな事、二人が付き合う前から知ってるよ。其でも俺は、江美が好きなんだ!」
私を組敷くと、熱い目で圭介が見下ろす。