ただ、逢いたい
慣れるのに必死だった頃に比べれば、ラクになった。
仕事の量が変わった訳じゃなくて、気持ちの問題だけど。
「なんとか頼まれたことは、こなせるようになったかな。
ミスはするけどね」
ペロッと舌を出して言ってみる。
「俺も、なんとかなるようにはなったよ」
彼は、あたしの話しに相づちを打ってから、急に話しが変わった。
「ところで、ずっと聞こうと思っていたんだけど、風華って好きな人いるの?」
話しが180度変わって、いきなりのことすぎてついていけなかった。
そんな話しになると思っていなくて、一瞬何を言われているのか分からなかった。
「彩菜が紹介してくれたぐらいだから、彼氏はいないと思うけどさ」