ただ、逢いたい
自信がなくなるくらいなら、最初から言わなければいいのにと思う。
そこはまだ、可愛いところかもしれない。
同い年なのにね。
「分かった。
見直しておくから、次の作業して」
「……はぁい」
呆れるように言ったあたしに、少しバツが悪そうに返事をする。
やっぱり、何かを言いたそうにしているけど、何も言わずに自分の席に戻って行った。
それを確認してから、あたしも自席に戻り、デスクの上にある書類に取りかかる。
怒られる回数が多いから、仕事をする時間が減っていく。
そのため、自然と残業は増える。
残業したところで出来ることは限られている。
だから、仕事はたまっていく一方だった。