ただ、逢いたい
青山さんの席に視線を移すと、確かにいない。
それなら、今日行かなくてもいいんじゃないかと思う。
「でも、3時間も待つの?」
「待つよ。
それぐらいは、待つって」
待たせるのは悪い気がしたけど、平然と答えられてしまう。
そう言われると、断る理由もないから行くと言うしかない。
「待ってくれるなら、行こうか」
「本当?
やった!」
子供の様に喜ぶ姿を見て、不思議に思う。
ただ、食事に行くと言っただけなのに。
「じゃあ、3時間後でいい?」
確認するように聞いてくる。