ただ、逢いたい
「うん。
それまでには、終わらせとくよ」
「了解。
それなら、3時間後に会社に戻って来るよ。
それじゃあ、またあとで」
ひらひら手を振りながら、嬉しそうに部署を出て行った。
「お疲れ様ー……」
そんな藤井くんの背中を見ながら、呟いた。
何がそんなに嬉しいのか、分からなかった。
この時はただ、単純だなぁと思っていた。
誰かと食事へ行くことが、そんなに嬉しいなんて。
だけど、それにはちゃんとした理由があったんだ。
あたしとでないと意味がなかったんだ。