ただ、逢いたい
*突然の告白
彼女から逃げて来たあたしたちは、そのままご飯を食べに行った。
本当は、そんな気分じゃなかった。
だけど、約束したし、1人で家にいる方が嫌だった。
余計なことを、あれこれ考えそうで。
「ところで、さっきの人は誰?」
お店に入って食事も来たところで、藤井くんが聞いてきた。
さっきの人とは、彼女のことだろう。
何も知らないから気になったのだろうけど、あまり話題にしたくなかった。
「あ、そっか。
藤井くんが入るだいぶん前に、辞めているんだっけ?
前に、うちの会社で働いていた人だよ」