ただ、逢いたい
「藤井くん?」
何も言わないから、名前を呼んでみた。
そうしたら、ようやく顔を上げた。
今にも泣きそうな、切なそうな表情であたしを見る。
「青山さんって、どう思う?」
「へ?青山さん?
どう思うって?」
よく、言っている意味が分からない。
質問の意味が分からなくて聞き返すけど、また黙ってしまった。
一体、何なのだろうか。
「やっぱり何でもない。
ごめん、帰ろう」
「あ、うん」
勝手に、会話を強制終了させてしまった。