ただ、逢いたい
頭の中では冷静に考えているつもりなのに、それは全然違うこと。
1番肝心なことは、そっちのけになってしまっている。
「そうだよ、これから考えてくれればいい。
絶対、振り向かせるから」
自分に言い聞かせるように言った。
「だから、覚えておいて。
俺は風華が好きだってことを」
そのあと、怪しげな笑みで告白されて、ドキッとしてしまった。
その表情に、目が離せなくなる。
吸い込まれそうな瞳に、あたしは何も言えなくなる。
出来たのは、静かに頷くことだけ。
自分自身、何に頷いたのか分からないけど、気付いたら頷いていた。