ただ、逢いたい



「遅かったね」




あたしの顔を見るなり、笑顔でそう言った。




「うん、ごめん」



「別に気にしていないけど、気が重たかった?」




言い訳せずに謝ったけど、さすが彩菜さん。

バレてるよ。


これは、頷くしかないと思い、素直に頷いた。




「そうだよね。
アタシが話すことって言ったら、これしかないよね」




苦笑いしながら、彩菜は言う。


その表情に、不安を覚える。




「とりあえず、ビールでいい?」




気分を変えるためか、彩菜は明るく言った。




< 172 / 338 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop