ただ、逢いたい
「遅かったね」
あたしの顔を見るなり、笑顔でそう言った。
「うん、ごめん」
「別に気にしていないけど、気が重たかった?」
言い訳せずに謝ったけど、さすが彩菜さん。
バレてるよ。
これは、頷くしかないと思い、素直に頷いた。
「そうだよね。
アタシが話すことって言ったら、これしかないよね」
苦笑いしながら、彩菜は言う。
その表情に、不安を覚える。
「とりあえず、ビールでいい?」
気分を変えるためか、彩菜は明るく言った。