ただ、逢いたい
「え、飲むの?」
そんなつもりで来た訳ではなかったから、驚いた。
だけど、彩菜は当然という表情で言う。
「当たり前じゃん、飲むよ。
アタシ、車じゃないし」
「じゃあ、あたしも飲む」
彩菜につられて、飲むことにした。
お互いビールを頼み、乾杯した。
それから、少ししてからあたしの方から話し出した。
「えっ!?
由梨に逢った!?」
偶然、彼女と逢ったことを話した。
そうしたら案の定、かなり驚かれた。
あたしも、おそらく彩菜も、2度と逢うことはないと思っていた。
本音としては、逢いたくなかったから。