ただ、逢いたい
これ以上、この場にいてはいけないような気がする。
でも、逃げることなんて出来ない。
みんなが静かに、真剣に聞いている中、逃げ出せば目立ってしまう。
返って、何かあると思われてしまう。
それでも、聞きたくない。
何も聞きたくない。
知りたくない。
あたしは、何も知らなくていい。
だけど、あたしの想いとは裏腹に、青山さんがとうとう口を開いた。
「そんなに、みんなして注目する?」
真剣に耳を傾けているみんなに向かって、苦笑いしながら言った。