ただ、逢いたい
「今日は真っ直ぐ帰って、仕事をしよう。
明日提出の分があるし……
って、明日、青山さんいないんだった」
思いっきり独り言を呟きながら歩いていた。
その考えの方に意識が集中していたから、周りなんて気にしていなかった。
そのため、壁などにぶつかる前に、人とぶつかってしまった。
1人で壁にぶつかるのも嫌だけど、相手がいるのも恥ずかしいと思う。
ぶつけた額を押さえながら、相手に謝る。
「すみませんっ」
「いや、こちらこそ。
見ていなかったん……」
相手の言葉が、途中で止まった。