ただ、逢いたい
*紙一重の気持ち
曖昧な返事のあと、晴れて恋人同士になったあたしたち。
それは、今まで以上に幸せな時間だった。
凄く大切にされて、優しくされた。
1番幸せな瞬間を、お互い過ごしていた。
相変わらず恥ずかしくて、なかなか素直に気持ちを言葉に出せなかったけど。
キスも体に触れる手も、それ以上のことも、全てが優しくて幸せだった。
「なんか、夢を見ているみたいだ」
「夢?」
それは、初めて行為をした日に、ベッドに横たわる勇人くんが呟いた言葉。
その隣で、あたしは首を傾げる。
「そう、夢。
だって、風華と付き合えるなんて思わなかったし」
「えー?
結構自信ありげに告白していたのに」