ただ、逢いたい
これ以上傍にいると、離れたくなくなってしまうから。
“好き”な想いが溢れだしてしまう。
ダメだって、理性を保てているうちに離れたい。
だけど、勇人くんはあたしの気持ちとは裏腹に、離してはくれなかった。
「話したいことがあるんだ。
今、聞いて欲しい」
その声は、とても弱々しかった。
いつもの自信満々な勇人くんとは違った。
いつかに少しだけ見せてくれた、弱音を吐く勇人くんだった。
そんな声に姿に、思わず掴まれているのと反対の手で、勇人くんの頬を撫でて、気持ちを吐露しそうになった。