ただ、逢いたい



「あら、今日は藤井くんとデート?」




周りには気付かれないように、小さく声をかけたつもりなのに、沙希さんに気付かれた。




「そんなんじゃないですよ」




苦笑いしながら言った。


おそらく、何を言っても言い訳にしか聞こえないから。



そんな時、沙希さんが真剣な顔をして小声で言った。




「ねぇ……
俊哉と藤井くんが重荷になっていない?」



「え?」




そんなことを言われるとは、思ってもみなかった。




< 250 / 338 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop