ただ、逢いたい
幸せなはずなのに、不安が押し寄せて来る。
思わず、勇人くんの手をぎゅっと握った。
「風華?」
その行為に気付いた勇人くんは、不思議そうな顔で覗き込む。
それを見て、あたしはにっこり笑って首を振る。
心配かけないようにと。
体を重ねたのに、何を不安に想うんだろう。
でも、大丈夫。
こうやって手を繋げる距離にいる。
触れられる距離にいる。
何があっても、あたしは勇人くんを信じていればいい。
彼の温もりを感じて、彼だけを信じていればいいんだ。