ただ、逢いたい
ある日、仕事の休憩中にフロアを歩いていると、声をかけられた。
「風華ー!」
それは、高校からの友達、由梨だった。
「由梨、どうしたの?」
立ち止まって、由梨の方を向いて聞く。
「ねぇ、今日久々にご飯食べに行かない?
彼氏ばかりじゃなくてさ」
笑顔でそう言われた。
由梨にも勇人くんと付き合っていることは、前々から言っていた。
「そんなに、彼氏ばかりじゃないと思うけど」
呆れるように返す。
「そう思っているのは、風華だけだよ」
そんなことを、あっさり言われた。
そう言われても、自分ではあまり自覚がなかった。