ただ、逢いたい
「どんな形であれ、風華を傷つけたことに変わりはない。
出来ることなら、由梨とつきあったことを知られたくなかった」
切なそうな表情で、あたしを見つめる。
あたしは、その目を見つめ返すことか出来なくて、目をそらした。
「由梨と付き合っているとメールしたのは俺だけど、その後のデートの話題とかは、由梨が送っている」
「えっ……?」
勇人くんの言っている意味が分からなくて、そらした視線を戻した。
「俺のふりをして、メールを送ったんだ」
「何で、そこまでする、の?」