ただ、逢いたい
「風華、会社一緒だよね?
大丈夫?」
心配そうに、彩菜はあたしを見る。
「会社は一緒だけど、部署が違うから普段は逢わないんだよね。
だから、会社での状況は分かんない」
本当に、滅多に逢うことはない。
お互いの部署の位置は、階自体が違うから。
逢うためには、自分から行くしかない。
食堂はあるけど、あたしは利用していない。
だから、普段の由梨がどんな感じなのか全然分からない。
「そっか。
でも、気を付けなよ?
勇人がそんなのに引っ掛からないとは思うけど」
「ありがとう。
大丈夫、勇人くんを信じているから」